無料週刊漫画雑誌コミック・ガンボ


yahooのトップニュースだったり、テレビのニュースでだったり、意外と大きく報じられたコミックガンボ
入手できたので、ちょっと読んでみました。

「G-CUP」板橋しゅうほう
地球に侵略してきた宇宙人と地球を賭けた野球勝負。


「鳳王」土井泰昭/武喜仁
鳳凰」である1ソウ(ソウズの一、麻雀牌です)に好かれた麻雀打ちの話。


「BOCCHANプロローグ」江川達也
新連載告知


「黒草子(再録)」吉田ひろゆき
もし神様がいて、バチが本当にあたるとしたら…。


「パート怪人 悪キューレ」ヨコシマン
旦那はヒーロー、奥様は怪人(パートタイマー)。4コマ。


「品子のお仕事」岩下はがね/司馬亘
万引きGメンらしくない万引きGメン、品子のお話。


「ぼうえいえにっき」路みちる
両親を亡くし、子供だけの2人暮らしをしているハルオとチアキ。ある日、両親が帰ってくるのだが、両親はタコで!?


「アドベンチャーエイジ 天書飛勇伝」木逢春(ムー・フォンチュン)
武道学院へ入学するための道中、秦飛は騙され、身包みを剥がされる。そして事件にまきこまれ…。


「地獄でキュー」渡辺電機(株)
地獄の子鬼のショートコメディ。


「人間噂八百」足立淳
丹波哲郎の噂や実話を4コマで。


「ウチチチ」ささいみりか
発明家のお父さんとその息子の4コマ。


岳人列伝・北壁(再録)」村上もとか
再録。モンブラン山群、プチ・ドリュへ置き忘れた"ある物"を取り戻す、登山親子のお話。

全体的なクオリティは無料という観点では良好とは思う物の、有料誌と比べると引けをとるか。
それと4コマが3本なのは意外。4コマ好きとしてはこれで4コマの認知度が上がればいいなぁと。
個人的に特に目に付いたのは、「パート怪人 悪キューレ」「ぼうえいえにっき」「地獄でキュー」「人間噂八百」でしょうか。


「パート怪人〜」はアイデアの面ではヤングガンガン天体戦士サンレッドヤングサンデー「超無気力戦隊ジャバファイブ」やなどとの被りは見られるものの、4コマということ、そして戦隊ネタと主婦ネタを親和させてるのが良いかなぁと。


「ぼうえいえにっき」は何が何やら一話めの状態ではよくわからんのですが、和むかわいいタッチと大人がタコになるというアイデアのぶっ飛び具合に期待。


「地獄でキュー」なんて身も蓋もないギャグだってのはわかってるんですが、笑いの成分では紙面一を争っているのではないかと。


「人間噂八百」は作画がこなれてない感じはあれど、「さよなら絶望先生」みたいなノリで「地獄少女」の女の子みたいな娘(これは丹波哲郎の影響?)がいろいろはっちゃけてくれてます。今回はネタにした丹波哲郎というチョイスの勝ちなのかもしれないですけど。


ただ、今ボクが挙げた作品群はいずれも地味な印象の作品で看板というタイプではない。となると看板になる作品が必要だと思うんですが、それについて少し。


まず、巻頭の「G-CUP」。宇宙人と野球対決という発想はブッとんでて好きですが、そこに至るまでの経緯が突然で無理やり引っ張られている感じがしました。地球側の切り札も短絡的でちょっとどうなんだろうかとも。こーなったらこのままB級路線で盛り上げていくのが一番かなぁと。他の雑誌の野球漫画が充実している今、別段コレというのができないと看板としてはキツいかもしれません。


あと「鳳凰」。目に付きやすい絵柄ですし、一話目の段階では謎もいっぱい散りばめていて気になるのですが、麻雀漫画は「咲 saki」みたいな例を別とすれば、戦略性やどれだけアツい勝負がでるかだと思うので、これからの構築次第だと思います。今のままのようにただ一ソウを引いて引いて引いてっていう戦略性のない展開はなしの方向ならば(その設定を昇華させずに)、看板の素養は随一かとは思うのですが。


最後は一般の方々が注目されていると思われる江川達也氏の「BOCCHAN」。正直、日露戦争物語がアレだったので、今回も過度の期待は禁物かと思われますが、毎回何ページ掲載されるのか、お話の進行程度はどうなのか。あとエロいのか。そのあたりが大事なファクターじゃないですかね。


全体を通して、当然の如く改善の余地ありまくりだとは思うんですが、ノウハウの無い企業としては予想以上に良く出来ていたっていう印象です。
とりあえずすぐ改善できそうな表紙のデザインは手をつけるべきかとは思います。
それと配布場所が分かりにくすぎます。夜受け取ったのですが、創刊ということでもっと豪勢にやってるかと思いきや、一人で粛々と、それも帰宅時間なのに駅から出てくる通行者に配ってました。「通勤、通学の短い時間の読み捨て雑誌」がコンセプトならば間違えてるのではないかなぁ(笑)
あとは看板になれそうな作家さんの引き抜きと、生え抜きの成長に期待するほかないのかなとは思いますが、某ロンブーが編集長の雑誌のようにすぐ廃刊にならないことを祈ります。


それと、「G-CUP」のアオリ書いた人面白すぎます。アホな状態の絵と、その状態をありのまま書いたアオリがツボに入りました。(写真参照)

あけま(ry

新年の挨拶を今言うのも負けな気がします。
私生活が立て込んでいてろくすっぽ更新できてません。


本も読んでない。
読んでないのに増えるんですよね。蒐集家の性。


とりあえず今月のチャンピオンの新刊の布陣は凶悪だと思います。
みつどもえ」「24のひとみ」「椿ナイトクラブ」「ダイモンズ」「ショーバン」
凶悪。
なんと言っても色んな方向に強い。萌えも正当な面白さもある。あと足りないのは一般に対する知名度だけかと。個人的には週刊少年誌で一番面白いと思う。
あとあれか、端整な絵っていうのが無いのかな、躍動感溢れるとか、温かみのあるとかそういうテイストは多いんだけど、それが新規読者を寄せ付けないのだろうか?(イイと思うんだけどなぁ)
俺の周りの漫画読みではない連中は結構絵で入ったり判断したりする人間が多いのだけど、やっぱりそういう傾向ってあるもんかな、皆さん?


それと今月の秋田書店はトばしてると思う榎本俊二のエッセイ出したり、画太郎先生のブス恋最終巻?出したり、やぎさわ景一の久しぶりの単行本だったり。
もちろん来月の哲弘祭りとか、「嗚呼!旧車會」だったりとかもあるし今後も秋田が見逃せねぇ。(超個人的)

戦中派天才少年山田風太郎


「戦中派天才老人山田風太郎」と呼ばれた山田風太郎の少年〜青年時代をフィクションを交えつつ描く。
まずあまり多くないだろうと思われる資料から想像を膨らませたその視点に驚く。著者の高森圭氏は生粋の風太郎ファンのようなのでこのようなことをされたと思うのだが、その労力たるや想像を絶するのではないか。


お話はまず風太郎が中学生のころから始まり、その傍若無人ぶりを描く。
そして第一章は自分は一大伝奇を夢想し、人々を楽しませることが夢の「山田風太郎」という存在であるということを自覚するまでのお話。


物語の骨子は風太郎の心情描写にあり、その繊細たるや感心を覚える。いかに風太郎が考え、風太郎が思ったかとうことがよく伝わってくる。
作画も力が入り過ぎていなく、味わいがあり、そしてアクションシーンや迫真のシーンでは非常にダイナミック。出てくる女性には艶かしさがある。
大西祥平氏をもって「シグルイ」を彷彿とさせる劇画タッチ」と評されている。個人的には前述の作画の感じから伊藤悠のエッセンスがあるかと。


手塚治虫の出てくる遊び心(事実でしょうか?)もあり、ハッタリも効いていて面白く、続きが気になる一作です。
なお、インターネット連載のため高森氏のホームページ:http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Cell/1384/で読める模様です。
同人誌版はタコシェさん、高森氏のホームページでも少数販売しているようですので、気になった方は是非読んでみてはいかがでしょうか?

宙のまにまに(2) (アフタヌーンKC)

宙のまにまに 2 (2)
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柏原 麻実
講談社
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今年から高校一年生の大八木朔は読書が趣味の文学青年。
しかし、幼少時代は幼馴染の明野美星に好き勝手引っ張りまわされ、心にトラウマを刻み込まれる。
その後引越したために、彼女とは離れる事になったが、しかし再び彼はその美星のいる土地に戻ってきた。
そして案の定、入学した高校では美星に引っ張りまわされることになってしまい…。
その他、朔に思いを寄せる蒔田姫、美星の親友でお目付け役の矢来小夜、エロス江戸川正志、吐血部長の路万を中心とする天文部青春グラフィティ。


今一番好きなラブコメの一つの今作。
なんといっても、登場するキャラが生き生きとしてて、キャラが立っている。特に笑顔がステキで仕方ない。
ラブの要素が薄いのは残念だけど、濃くしちゃうとこのドタバタ感やキャラの表情がコロコロ変わる生き生きとした感じも薄れそうなので、OKだと思いますよ。
美星の元気であっけらかんとした行動に笑い、姫ちゃんの純情にキュンとして、小夜さんの可憐さに心打たれるのがやっぱり正しい楽しみ方だと思います。


2巻では琴塚会長に萌えました。
典型的すぎるかもしれないけど、きっと諸読者様も琴塚会長に胸打たれたことでしょう。
いや打たれるべし!

巻末には某映画をモチーフにした次巻予告もありーので楽しみどころ満載。こういうタイプの次巻予告は知っている範囲だと「無敵看板娘」の荒唐無稽な次回予告がありますな、杏奈感じ。
自分の紹介文読み返してみるとすっごいぶつ切りのことしか書いていないんですが、それってやっぱり本作は日常の風景を描いているので大きな動きってのはないんです。だけどその日常を何気なく切り取って描くのが上手なんだと思います。

そういえば書き忘れましたが、天文知識もしっかりとしたものがベースとなっていて本格的ですよー。
柏原麻実氏は天文学部に所属していたとのこと

Project PAPO resonance (マガジンZコミックスデラックス)

Project PAPO Resonance
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講談社
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音楽を再生する謎のロボット「PAPO」をめぐる物語。


PAPOは人を幸せにも、不幸にもする(ほとんど幸せですが)ロボットでそれさえあればどんなストーリーも許容するというような短編集。
執筆陣は郷田マモラ、槇えびし、宇仁田ゆみ、安宅一人、しろー大野、加倉井ミサイル、岩岡ヒサエ
中でも良かったと思うのが、しろー大野岩岡ヒサエの両名。
しろー大野は同じマガジンZ誌に掲載されていた「武刃街」のノリではちゃめちゃなストーリーを展開させてくれ、はっきり言ってPAPOとか関係なくぶちかましてくれて爽快な面白さ。
岩岡ヒサエは音楽を上手く取り入れて、情緒あるお話に仕上げてくれた。こういう音楽が根底にあるお話はNHKで視聴者から思い出の音楽を募集してそれにまつわる話を漫画家が漫画する番組があるけど、それを地で行く感じ。うまいなぁ。
あと気になったのは名前をあまり聞かない両名。槇えびしと安宅一人。
槇氏は作画に艶やかさがあったが、ラストはびっくりしたが、個人的にはどうなんだろうかと。
安宅氏はお話はこなれた感じでよかったけど、たたみ方がベタになってしまった感じかなぁと。

相変わらず更新は低調なペースです。
クリスマスで傍らにいたのは漫画でした…OTL


あと文章にしてないですが沙村広明「人でなしの恋」が素晴らしすぎる。
一水社発行で明らかなエログロ画集なのですが、この迫力たるや言葉で形容できないほどの物です。
氏賀Y太のような路線を沙村的な作画で表現したというのが一番近い表現かなぁとも思うのですが。
3000円と高額ですが、それだけの価値に見合う商品だとは思いました。
あとがきも気迫が篭っていて素晴らしいし。

ハチワンダイバー 1 (ヤングジャンプコミックス)

ハチワンダイバー 1 (1)
柴田 ヨクサル
集英社
売り上げランキング: 138


奨励会上がりの将棋指し、菅田。
プロの夢破れ、真剣師として生きていくが、その菅田の前に「アキバの受け師」なる者が現れ…。


いや、面白い。
ボクの求めていた柴田ヨクサルはコレだ!という感じ。
エアマスター」でバトル路線を突っ走りすぎた感があったんですが、谷ありきの「谷仮面」に近いフィールドにまた戻ってきてくれました。
この作品も強烈な印象の「アキバの受け師」ありきでお話が進んで、将棋の対局はもちろん、バカなことやってんなーっていう部分も内面を激しく描くヨクサル節炸裂。
菅田が真剣師として練成されていく過程もグイグイと読ませる。やっぱり大ゴマの使い方が秀逸ですし、内容的にも大満足でございますよ。
そして、1巻は仕組まれたようにヒキが美しく2巻も買いたい!と思わせる編集もすげぇ。


あとはヤンジャンだけにアクの強い絵が嫌われて、打ち切りだけが心配です。個人的にお気に入りだった「にらぎ鬼王丸」「EVIL HEART」あたりが切られた(前者は漫革で、後者は書き下ろしで続いたが)ので、それらとはヤングアニマルの巨頭の移籍ということで比較できませんが、油断は禁物と。