ニタイとキナナ

ニタイとキナナ
ニタイとキナナ
posted with amazlet on 06.12.05
高室 弓生
青林工芸舎
売り上げランキング: 38420

なんていうか「現代」に欠けているものの象徴な気がする。
縄文人の夫婦、ニタイとキナナの生活を描くお話。
縄文時代+ホームドラマという固さと柔らかさの組み合わせでありながら、その固さを微塵も感じさせない。しかしながら、時代考証はというと巻末の解説やページ隅に代表されるように、出来る限り徹底されている。
この絶妙な塩梅がこの漫画の妙であり、ぐいぐいと引き込まれる。


そして登場人物は皆、神や自然への畏敬の念を忘れない。自分たちが自然の中で生きていて、それでいて自然に生かされているということを絶対条件として。
この漫画を読むと、人間もきちんとヒエラルキーの一員として生きていることが分かる。そして生命の繋がりを感じる。
それは、同時に現代の風刺の一面もあり、やはりこんな時代だからこそ、こういう漫画を読むと動かされるものがある。是非オススメ。


あ、もちろん本編自体は全くの重たい話なしで楽しめますんで、僕の〆かたがあまりよくないだけで…OTL