ラストイニング 6―私立彩珠学院高校野球部の逆襲 (ビッグコミックス)以下続刊

ラストイニング 6 (6)
ラストイニング 6 (6)
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神尾 龍 中原 裕
小学館 (2005/07/29)
売り上げランキング: 3,638
おすすめ度の平均: 5
5 やっぱり夏は、高校野球

ビッグコミックスピリッツ新連載第一回から見ていたのですが、え?セールスマンとか思った記憶がありました。
思えばあの時点でこの漫画にハメられてたんだろうなぁ。

会社にハメられ捕まったセールスマン鳩ヶ谷圭輔、彼の元に高校時代の野球部の監督が母校、彩珠学院の野球部の監督のオファーを持ってきた。
彼は保釈金の肩にしぶしぶオファーを受けることにする。
しかし、母校は万年1回戦負けの弱小校になってしまっていて、しかもそれを1年で甲子園にいかせなければ廃部という。
鳩ヶ谷は彼なりのいろいろな試行錯誤を繰り返しチームを強化していく。
彩珠学院は甲子園にいけるのだろうか。

「王道を行かない野球漫画No1」そんな言葉が似合う。
精神論で片付ける従来の野球漫画とは違って勝利至上主義で理論に基づいて試行錯誤する新機軸の野球漫画。
でも現実を見てみると高校野球、特に夏の大会は予選から一回の負けも許されない、プロ野球よりホーム&アウェイのあるサッカーのカップ戦より厳しい世界なんですよね、だからそういう思考になるのは当然だし、必然なのにそれを「青春」という言葉で何でも処理するのは如何かな。
今年の甲子園でも審判の不可解な判定は目立つしアマチュアだからっていってそれは簡単に許されるわけじゃない。そこには勝つためにやってきた野球選手がでてきてるんだから。
スポーツでは普通のことなんだけどそれが普通ではない世界、高校球界。
時代遅れだし改善の余地もあって良いと思う。
若い才能の発掘は高校のみにとどまる必要もないとも思うけど(サッカーのように幼少からの育成機関を作るetc)それをやるには大規模な世界大会もないし、高校野球の現状の熱さが薄れちゃうかな。
ほいで本題のラストイニングは、そういった問題点(最後の点は除いてね)に問題提起したり、反抗したり。
それにとびだしてくる奇策の数々。
それでもその奇策はキチンと理論的に展開されるので「は?なにこれ?」とかって
思うこともなくてむしろ「なるほど」なんて思えちゃいます。
実際こんな簡単にいくわけじゃないでしょうけどそういう工夫のヒントっていうことにはなってるんじゃないかな。
「さわやか、ひたむき、正々堂々は禁句」「奇襲は2回続けるから奇襲になる」などを筆頭に様々に出てくる鳩ヶ谷の謳い文句も鮮烈です。
でもやっぱり選手も監督も欲しているのはただ1つ、甲子園への切符なんですよね、そのためには何をも厭わない所存なんです。
巻数を重ねていくごとに鳩ヶ谷理論もどんどん出てきてジワジワ面白くなってきています。
ライバル、新キャラ、様々登場してきてこれからの展開からも目が離せません!


追記:奇策といいなんといい、夏の高校野球長崎清峰高校の監督がちょっと鳩ヶ谷チックかなぁ・・・なんて。