スナッチャー窃 1 (ミッシィコミックス)&スナッチャー窃 2 (ミッシィコミックス)

スナッチャー窃 1 (1)
スナッチャー窃 1 (1)
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高木 章次
宙出版 (2005/07/25)
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スナッチャー窃 2 (2)
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高木 章次
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2chで話題騒然だったチャンピオン連載作品スナッチャー窃がな、な、なんと単行本に!
しかも新書版ではなくA5で。
なんつー扱いだ、宙出版

データ侵入や窃盗を行う「スナッチャー
そのなかでも成功率100%の男がいた。その男の名前は窃、スナッチャー窃だ!
彼は意識ごとデジタル空間と直結し、操作できる新人類、デジタリアンなのだ。
その能力を使って無理難題を解決していく・・・。

雰囲気は攻殻機動隊風味、だけど中身が・・・orz
という感じでかなりネタ漫画扱いを受けたこの作品。
打ち切り後に存在を知ったので興味を持って即買いです。
まんまと宙出版さんにハメられてるような・・・まぁいいや。
まず帯を見て驚愕。
「待望の人気作復活!!」
いや、人気っちゃぁ人気でしたけど、一部に。
そりゃまぁ一部待望でしたけど板の住人曰く「単行本化したらスナッチャー窃じゃない」と。
そんなことを考えつつ読んでみますよ。
・・・
いや、まぁなんというか、微妙ですやん。
ハッキリいって普通の人にはススメられません。
ただ序盤のギャグのキレはそこそこよくてはじめはある程度楽しめて読めたんですが、中盤から後半がなぁ。
海底刑務所後半あたりからちょっと。
なんか制御装置を取ったことによってその後無意味にパルス衝撃波を使いすぎ、なんか必殺技連発は萎えますよ。
もうそうなった時点で必殺技でもなくなるし。
んで潜水服はあんなに武装されてる必要性があったのかと。
頭を使わせる小難しいネタが散りばめられているのにめっさバトル主体。少年漫画の性だけど。
いっそのこと雰囲気だけでバカでもパッと見分かるっていうノリでワイワイやってりゃ良かったと思うんですよね。
変にニューロネットワークだNSガソリンだって小難しいことやるから読者が離れたんじゃないかな、チャンピオンだし。
ラスベガスはそれなりにお話のネタ的にはいい気がするけどね、痛快でもあるかな。
それにDの発言「巨大な電子レンジ」んでデジタリアンが後付ではなくて設定だったならそこは上手く考えたなと。
でもね、お話が痛快でも画力がそれに伴ってない所為でスケールがめちゃくちゃ小さいんですよ。
観覧車がまわってるとこもなんか俯瞰で迫力ないしなぁ。
絵的には書き込まれていない単調な線画なんですよね、特に魅力的ってわけじゃないです、特徴のない絵。
それが伝説の404を生み出したんですけど、マジであれはテトリスですな。
今回166になっちゃってたけど。
どうしたらいいかっていうと個人的には上手さではなくて泥臭い方向で攻めればいいんじゃないかな、たとえば山田芳裕先生のように誇張に誇張を重ねた絵。
ありえねーっていう漫画表現だけどアレだけされると気持いいし、なにせ迫力がスゴイ。
そういうパンチのある絵が重要かもな。

サイバーパンク風味漫画『スナッチャー窃』スレに登場する用語
2003年16号に掲載された最終回でのビル爆破シーンのこと。

敵である“D”が潜水艦のシステムに侵入して発射した核弾頭を
主人公の“窃”が再侵入して核を切り離しミサイル部分の目標を自分達に設定し
ビルごと爆破する、という話だった。

その時の404ページがちょうど爆発シーンだったが
あまりにもしょぼく、形容するなら「テトリス」という言葉がふさわしく失笑を買った
窃が終了し単行本も出そうに無い現在では生暖かく愛され、何故かチャンピオン避難所の看板になっている
また、窃スレにおいて404は重要なキリバンでもある。
http://page.freett.com/champion/img/404.jpg

武器庫と書いてある武器庫とか一着しかない潜水服とかホント改めてみるとネタ満載です。
終盤に至っては急に蝶もとい超デジタリアンが出てきたり展開が急で破錠していましたがアレは打ち切りの影響がデカかったんだろうな。
にしても超デジタリアンの動機は不十分で、しかも普通のデジタリアンでも同じことができちゃったというお粗末さ。
でも巻末の赤マルジャンプ版のスナッチャー窃の時の絵は時間があったからなのか絵柄がそうだったのか、書き込みの激しい従来のSF系の絵だったし、オーシャンズ11のオマージュ(どっちが先だ?あのヒモから吊るされているの)があったりとこっちのほうが面白いやんけ!なんて思ったり。
トラップも考えられてるし。
ということで高木先生が退化してるのが気がかりです。
結局はネタを許容できるヒトなら・・・という評価です。