EVIL HEART 1 (ヤングジャンプコミックス)&EVIL HEART 2 (ヤングジャンプコミックス)
EVIL HEART 1 (1)posted with amazlet at 05.07.22
面白いね〜。
武富智さんの久しぶりの新作なのです。
正木梅夫は中学一年生。
彼は「キレやすい少年」だった。
そんな中彼は合気道と出会う。
「柔良く剛を制す」合気道は彼と対極の位置にあるはずだった。
彼はしかし合気道に心惹かれた。
もちろん彼はそんな理念は知る事無しに。
だがしかし、彼は元からキレやすかったではない。
何故、彼はそうなってしまったのか。
彼の心がもとに戻る日は来るのだろうか。
ネタバレを気にして変なあらすじになってしまった(^^;
「目」、「表情」
ちょっとした変化でもあり、大きな変化でもある部分を掘り下げた作品。
正直並の漫画家では描ききれない部分もあるよなぁ。
武富さんの絵は曽田正人さんと似ている。
ラフっぽいけどすごく伝わる絵。人間味を感じる絵です。
だからまさにそこから出る狂気や歓喜、そういう感情を上手く描けていると思います。
なんかこれ、ヴィンランド・サガのときもいったような。
でもトルフィンと梅夫って似たような境遇なんですよ。
親を殺された（梅夫はちょっと違いますけどね）仇を討つための復讐心。そういう感情で動いてますから。
トルフィンだったらいつでも戦えるようにアシェラッドとワザワザ帯同するし、梅夫なら合気道という武器を身につけたいと思ってるし。
その負の感情から梅夫は喧嘩に走ったりすぐキレたりするわけですよ、自分のやり場のない感情をぶつけんばかりに。
でも彼は合気道、ダニエル、やさしくしてくれる同級生と出会っていくうちに、本当に一握ですけど自分のこころに光をとりもどしてきていた。
しかしそれは束の間の平安で、まもなく崩壊する、その心と裏腹に彼は力を欲する。合気道を欲する。
憎しみは争いしか生まない、だけど彼には憎むことしかできない。
忘れられていた感情を取り戻すことができるのか？
いや〜本当に面白い。
DVっていう社会問題を取りあげつつも漫画としての面白さを損なっていません。
姉ちゃんの真知子も良い味だしてるし、ダニエルと茂っていう極端な人間配置も妙。
茂と母は分かり合うことができるか、梅夫は茂と同じ轍を踏まないかとか気になる要素が一杯。
後半で茂の胸中が明かされていましたが、アレは詭弁なのかな。
本心なら刺されても逆恨みはしないと思うけどなぁ。
どちらにせよ先が楽しみです。マジ買いです！
でもなにやらヤンジャンでは掲載順位が後ろのほうなので心配です。
ただでさえRING、武装錬金、ユートとショックが続いてるんだから、集英社さん打ち切りは勘弁しておくれ〜〜。(TT
