花の名前 1 (花とゆめCOMICS)

花の名前
花の名前
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斉藤 けん
白泉社 (2005/06/04)
売り上げランキング: 3,816
おすすめ度の平均: 4
4 きれいなお話です。

高校1年の冬、蝶子は両親を交通事故で失った。失意の中、親戚中を盥回しにされ、最終的に父親の従弟「水島京」の許へ預けられる。京は、偏屈で頑固でぶっきらぼうな男だった。ここから蝶子の新たな生活が始まる…。
ステキなおじ様に恋をするってありがちな内容っぽいですけど、いやはや、斉藤氏の調理法が上手ですな。
共に心に闇を抱える二人。だが、京に引き取られて変わった蝶子。蝶子の存在で変わった京。なるべくしてなったのか、と途中まで思えたものの、
引き取った理由は好奇心、ってあんた酷いよ!
ただ、本人もそれは分かっていて、自分では彼女を幸せにできない。っていってるんだけど、それでもやっぱり傍にいたいっていう人間の欲を見せてますよ、人間臭さ、いいです。ただ、それは自分を偽っているだけなんでしょうけどね。
そして、庭の「花」と蝶子という京の闇の中に咲いた「花」との対比も上手にされています。もちろん「花」は「花名」にも通じているし、京のために名前を覚えたということにも通じるんでしょう。
なんにせよ新人作家さんでは非常に上手いと思います。といいますか、前半の線より後半の線のほうがより感情を捉えていて非常に良いです。上達が早いんですかね?
情緒的な漫画が好みな方は是非。