泣く侍 1 (SPコミックス)

泣く侍 1 (1)
泣く侍 1 (1)
posted with amazlet on 06.12.15
中山 昌亮
リイド社
売り上げランキング: 104863


藩から謀反の疑いを掛けられた侍"物辺総次郎"とその姪"沙絵"、そして物辺の親友で彼を斬ろうと追う侍"伊藤清之進"の話。
これは面白い。
設定やお話はありがちな面もあるけどそれを物とも言わせないエネルギーに溢れている。
圧倒されてしまうほどの筆での描写。
伊藤の狂気、物辺の悲哀、そして怒り。
伊藤が女性を斬る際や4話目の夕食とその後、などの前後の落差にも圧倒される。
読み易さと濃さが同居して、これは屈指の時代劇漫画だ。


作者の中山昌亮氏は竹書房我孫子武丸氏原作の「迷彩都市」を描かれたが、そちらもなかなかどうして、この作品とは違うベクトルで楽しめるし、脂が乗っている作家の一人だと思う。

購入物

いっぽん!」14 佐藤タカヒロ
涅槃姫みどろ」4 中里宣/大西祥平
「めっちゃキャン」2 国広あずさ/九十九森
マドモワゼルバタフライ」2 小椋アカネ
「BLUE」 咲坂伊緒
百合星人ナオコサン」1 kashmir
マヒルの用心棒」1 大岩ケンジ
喰霊」3 瀬川はじめ

いっぽん!」が最終巻。
スタートはパッとしない印象だったけど、回を重ねるごとに段々と面白くなっていって、「あぁ、いい少年漫画やってるなぁ」と感じた。
終了は唐突だったけど、是非読んで欲しい漫画です。

ニタイとキナナ

ニタイとキナナ
ニタイとキナナ
posted with amazlet on 06.12.05
高室 弓生
青林工芸舎
売り上げランキング: 38420

なんていうか「現代」に欠けているものの象徴な気がする。
縄文人の夫婦、ニタイとキナナの生活を描くお話。
縄文時代+ホームドラマという固さと柔らかさの組み合わせでありながら、その固さを微塵も感じさせない。しかしながら、時代考証はというと巻末の解説やページ隅に代表されるように、出来る限り徹底されている。
この絶妙な塩梅がこの漫画の妙であり、ぐいぐいと引き込まれる。


そして登場人物は皆、神や自然への畏敬の念を忘れない。自分たちが自然の中で生きていて、それでいて自然に生かされているということを絶対条件として。
この漫画を読むと、人間もきちんとヒエラルキーの一員として生きていることが分かる。そして生命の繋がりを感じる。
それは、同時に現代の風刺の一面もあり、やはりこんな時代だからこそ、こういう漫画を読むと動かされるものがある。是非オススメ。


あ、もちろん本編自体は全くの重たい話なしで楽しめますんで、僕の〆かたがあまりよくないだけで…OTL

なかなか

記事みたいなのはかけないんですが購入履歴でひとつ

実録、関東昭和軍(1) 田中誠
涙そうそう 山田秀樹/吉田紀子
最強伝説黒沢(10)、(11) 福本伸行
やんちゃぼ(2) 高田靖彦
ホムンクルス(7) 山本英夫
大奥(2) よしながふみ
アキバ署(3) 瀬尾浩史

大奥以下は未読。
特に良かったのが、「涙そうそう」。詳しくは後日書ければなーとか思ってますが、これはいいものです。これなんてエロゲ?な設定との絵のマッチングも良しw


次点で「実録、関東昭和軍」、「やんちゃぼ」
実録〜のほうは、くたばれ体育会がモットーの「おれはキャプテン」やら、理論やら仲間との関係やらをクローズアップする「おおきく振りかぶって」などの今人気のある野球漫画を、逆方向に発展させたもの。
体育会系の方法を突き詰めまくって、かつ、理論は二の次、仲間との関係は時に足の引っ張り合いだったり…というイジメ問題が跋扈しているなかで何気に挑戦的な漫画。面白い。


「やんちゃぼ」はリーガエスパニョーラに移籍して活躍したサッカー選手が、いきなりプロを引退し、妹の住む町でアマチュア選手として生きる道を選び、村のサッカークラブで天皇杯を目指すことに。しかし保守的な村であり、一筋縄ではいかず前途多難な道のり。しかもその背景には移籍で壊れた家庭の問題があり…。
というような複雑なお話。純粋にサッカーのみをやってるスポ魂漫画ってのもそれはそれで面白いんだけど、現代的な複雑な問題がからみあって、しがらみを取り払いつつサッカーをしている様が面白い。
ただしどこに落とすのかで結構お話が変わってきそうな気配があるなぁ。
あと結構地味なので途中できられないか心配。